
学習指導要領
第1章 総則
第1 教育課程編成の一般方針
2 学校における道徳教育は、道徳の時間を要として学校の教育活動全体を通じて行うものであり、道徳の時間はもとより、各教科、外国語活動、総合的な学習の時間及び特別活動のそれぞれの特質に応じて、児童の発達の段階を考慮して、適切な指導を行わなければならない。
道徳教育は、教育基本法及び学校教育法に定められた教育の根本精神に基づき、人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念を家庭、学校、その他社会における具体的な生活の中に生かし、豊かな心をもち、伝統と文化を継承し、発展させ、個性豊かな文化の創造を図るとともに、公共の精神を尊び、民主的な社会及び国家の発展に努め、進んで平和的な国際社会に貢献し未来を拓く主体性のある日本人を育成するため、その基盤としての道徳性を養うことを目標とする。
道徳教育を進めるに当たっては、教師と児童及び児童相互の人間関係を深めるとともに、児童が自己の生き方についての考えを深め、家庭や地域社会との連携を図りながら、集団宿泊活動やボランティア活動、自然体験活動などの豊かな体験を通して児童の内面に根ざした道徳性の育成が図られるよう配慮しなければならない。その際、特に児童が基本的な生活習慣、社会生活上のきまりを身に付け、善悪を判断し、人間としてしてはならないことをしないようにすることなどに配慮しなければならない。

二十一世紀の学校と道徳教育
二十一世紀における学校教育の目指す方向について、新学習指導要領第一章総則第一教育課程編成の一般方針1で次のように明示している。「学校の教育活動を進めるに当たっては、各学校において、児童に生きる力をはぐくむことを目指し、創意工夫を生かし特色ある教育活動を展開する中で、自ら学び自ら考える力の育成を図ると共に、基礎的・基本的な内容の確実な定着を図り、個性を生かす教育の充実に努めなければならない。」
二十一世紀における学校教育の基本テーマは、児童に「生きる力」をはぐくむことを中核にして、自ら学び自ら考える力を身につけ、基礎・基本の徹底や個性を生かす教育に力を注ぐのである。
変化の激しい社会にあって、児童が身につけなければならないもの、それは「生きる力」なのであり、学校もその基本テーマを念頭に置いて進まなければならない。
「生きる力」と道徳教育
では、「生きる力」とは何だろうか。
このことを小学校学習指導要領解説「道徳編」で見てみよう。
「生きる力」とは、変化の激しい社会において、いかなる場面でも他人と協調しつつ自律的に社会世界を送れるようになるために必要な、人間としての実践的な力であり、豊かな人間性を重要な要素とする。
子どもたちに必要とされる「生きる力」の核となる豊かな人間性とは、
- 美しいものや自然に感動する心などの柔らかな感性
- 正義感や公正さを重んじる心
- 生命を大切にし、人権を尊重する心など基本的な倫理観
- 他人を思いやる心や社会貢献の精神
- 自立心、自己抑制力、責任感
- 他社との共生や異質なものへの寛容
などの感性や心、道徳的価値であるととらえられる。このような力を育てるのが、心の教育であり、道徳教育である。
解説書にある1〜6の内容は、自然愛、畏敬の念、正義感、公正・公平・・・というように、道徳的諸価値を含んでいる。したがって、道徳教育を意図的計画的に行うことによって、豊かな人間性を培うと同時に、 「生きる力」の重要な部分を育てることにもなる。





